彩りの日々
「……しょう、……ちゃん?」

何が起こったのかわからずに困惑していると、その切なげな瞳の奥底に燃える欲望の光に射られて、私の体が思う様に動かなくなった。


これは、まずいやつだ。

頭の中でアラートが鳴っている。

これはダメだ。
危険だと、私の中で何度も何度も鳴り響く。

「……何で、いつまでもガキ扱いすんだよ」

掠れた、熱を含んだしょうちゃんの声が鼓膜を震わせて、私の体の奥がカッと熱くなっていく。
ドクンドクンと早鐘を打つ心臓が、全身に血液を送っているのがわかる。

雨に体温を奪われたはずのしょうちゃんの体が、火傷しそうなほどに熱く感じる。

ゆっくりと近づいてくるしょうちゃんの唇。

しょうちゃんの睫毛長いな、なんて、頭の中で全く別のことを考えてしまうのは現実逃避なのだろうか。

その瞳に見つめられるだけで、囚われる。



目が離せないまま、徐々に徐々に近づいてくる。


あと十センチ、五センチ、――……三、二、一、



「……、」


チュッと柔らかな感触が私の唇に触れた。
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