彩りの日々
家を出て少し歩くと小さな横断歩道がある。
その横断歩道に近づくまでに私はそわそわとして、何度も自分の前髪を触ってしまう。
(今日も会えるかな……)
きょろきょろとするのもおかしいから、あまりそわそわしないように、けれどその横断歩道でぶつかる道の先を見つめてしまう。
私がそちらを見るとちょうどスーツ姿のかずくんと制服を着たしょうちゃんとが並んで歩いて来るところだった。
「おはよう」
かずくんが片手を上げて私に声をかける。
「おはよう、かずくん」
自然と頬が緩みながら私も挨拶を返した。
かずくん――……青山一輝は、私よりも2つ年上の幼馴染だ。
幼い頃からずっと私の憧れであり初恋の人でもある。
ずっと片想いをしているが、かずくんには学生時代からずっと付き合っている彼女もいるし、今更どうこうなろうとは思っていない。
ただ会えたら嬉しいし、こうして決まった時間にこの交差点で会えるから駅までの道のりを一緒に歩けたらそれだけで幸せ。
いい年をして子供っぽい恋愛だと同年代の友達に言ったら笑われてしまうかもしれないが、平凡平穏が一番の私はこれでおおいに満足している。
朝かずくんに会えるだけで幸せになれるし、私の代わり映えのない毎日に鮮やかな彩りが加わったような気持ちになる。
その横断歩道に近づくまでに私はそわそわとして、何度も自分の前髪を触ってしまう。
(今日も会えるかな……)
きょろきょろとするのもおかしいから、あまりそわそわしないように、けれどその横断歩道でぶつかる道の先を見つめてしまう。
私がそちらを見るとちょうどスーツ姿のかずくんと制服を着たしょうちゃんとが並んで歩いて来るところだった。
「おはよう」
かずくんが片手を上げて私に声をかける。
「おはよう、かずくん」
自然と頬が緩みながら私も挨拶を返した。
かずくん――……青山一輝は、私よりも2つ年上の幼馴染だ。
幼い頃からずっと私の憧れであり初恋の人でもある。
ずっと片想いをしているが、かずくんには学生時代からずっと付き合っている彼女もいるし、今更どうこうなろうとは思っていない。
ただ会えたら嬉しいし、こうして決まった時間にこの交差点で会えるから駅までの道のりを一緒に歩けたらそれだけで幸せ。
いい年をして子供っぽい恋愛だと同年代の友達に言ったら笑われてしまうかもしれないが、平凡平穏が一番の私はこれでおおいに満足している。
朝かずくんに会えるだけで幸せになれるし、私の代わり映えのない毎日に鮮やかな彩りが加わったような気持ちになる。