彩りの日々
平凡の目線の先
最近の私はどうかしている。


とてつもなくどうかしている。

平凡平穏な日々を愛する私らしくない。
どうしたことだ。

大人のくせに、うっかり失恋(それも今更すぎるくらい今更な失恋)でショックを受けたところを十も年下の幼馴染に見せてしまうという大失態。
穴があったら入りたい。


かずくんにしょうちゃんのことを任された手前私の方がしっかりしなくてはいけないのに。
しょうちゃんのほうがよっぽど私よりしっかりしてる。

うっかり弱ってるところに「大人だって泣いていいじゃん」なんて言われてしまったもので、正直ぐらっときてしまったのはある。

ずるい。
すごい。
本当にしょうちゃんは高校生か……?

しかも何だか少し前まで反抗期よろしくツンツンしていたしょうちゃんだったのに、ここ最近はなんだか憑き物が落ちたようにスッキリとした顔で、余裕のようなものすら感じられる。

本人曰く「みちにもう好きって伝えたから。開き直った」のだそうだけど。


しょうちゃんに会うのが少し照れる。

めちゃくちゃ目や態度が「みちを好きだ」と言っているようで時々すごく恥ずかしくなる。
いや、これも私の自意識過剰なだけかもしれないけど。

どうしていいかわからなくなる。
だって、私がすきなのはかずくんだし、しょうちゃんは十も年下で、どうこうなるはずがない。
ないでしょう。

ないはず。

ないんだ。

平凡平穏な私の日々が脅かされている。

ドキドキバクバク、十も年下の幼馴染に動揺させられっぱなしだ。

今の私は好きだと言われて驚いていて。
それのせいでドキドキしているのであって。


そう自分自身で結論づけてはいても、この動揺はすぐに収まるものでもなかった。
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