Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
(わぁ、お店がいっぱいだ!)



楽しみにしていた蚤の市にやって来た。
あんまり荷物になるものは困るけど、アンティークなフランスの小物をいくつか買いたいと思ってた。



人も多いけど、かき分ける程では無い。
私は、初めて蚤の市に来られたことで浮かれた気分を感じながら、ずらりと並んだ露店の品物を見て歩いた。



(たくさんあったなぁ。)



いつの間にか私は、蚤の市の端っこまで辿り着いていた。
とりあえず、気に入ったものは何点かあった。
折り返して、その品物をじっくり見よう、そう思った時、まだあと一軒、店があるのに気が付いた。



その店は、他の店と違って、幌が被せてあり、中は見えなくなっていた。
なんだか少し不気味だ。
でも、却ってそのことが興味をそそる。
私はその店に向かった。



「Cava」

一応、声をかけながら、入り口の幌をまくった。



「あれ?」

薄暗い、その中には、大きめの姿見が置いてあるだけで、人はいなかった。



(わ、綺麗な彫刻。)

姿見の枠に惹かれて、私は鏡の傍に歩いた。



(え!?)

鏡の前に立ったら、目も眩むような明るい光に包まれて…
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