【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 思い切り食いついた私に、津島先輩は満足そうに答えてくれた。


「基本生徒に合わせてあるから清掃時間が9時から11時。それ以外はいつでも入れるぜ。それに寮に入ってる生徒なら利用は無料だ」


 凄い!
 何か無駄に神様に感謝したくなってくる。

 タダで温泉に入れる。
 しかも利用時間はほぼ気にしなくて良い状態!

 テンションがグッと上がった。


「お姉ちゃん、ちょっと落ち着いて」
「これが落ち着いてられますか!」

 愛良に(なだ)められても、興奮は冷める事を知らない。

「温泉だよ! 温泉!! 普通のお湯のお風呂じゃないんだよ⁉ しかも毎日、タダで入れるんだよ⁉」

 私のこの興奮が分からないのか!


 と愛良に力説した。

 でも愛良は共感してくれるどころか頭を抱える始末。


 どうして分からないの。
 温泉だよ⁉


「いや、うん。分かってるよ。あたしも温泉は嬉しいよ? でもここ車の中だし、今すぐ温泉入れるわけじゃないからね?」

 まずは簡単にでも生活出来るように部屋を整えて、田神先生から色々話を聞かなきゃならないでしょう?
 と説明され、やっと私は少し落ち着きを取り戻した。


「うっ、そうだね……。やる事やってからじゃないとね」

 少なくとも、夜じゃないと入れないか。


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