【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「お姉ちゃんはね、見た目は癒し系美少女なの。だから小学生のときだって結構モテてたんだよ? でも好きになって知り合ってみたら、中身は勝気。癒し系はどこ行った状態で騙されたって言う男子が続出!」


 な、何それ。
 全然知らないんだけど。


「お姉ちゃんの初恋の男子だって、騙されたと思ってつい悪口を言ってしまっただけだって後から聞いたよ?」

「何それ、私知らない! 誰から聞いたのよ⁉」

「本人から」

「えぇええっ!?」


 初めて知る事実に驚き困惑する。


「少し後に謝っておいてくれって頼まれたの。でも自分が言ったことなんだから自分で謝らないとダメじゃない? って突っぱねたんだけど……。お姉ちゃんの様子を見る限りやっぱり謝って無かったんだね、あの人」

 愛良はそう言って憤慨しているけれど、私は全く知らなかった事なので怒れない。
 と言うか最早混乱して来た。


 愛良の言っている事が本当だとすると、私がコンプレックスだと思っていた自分の容姿って……。

 コンプレックスなんて思う必要が無い、寧ろ逆の意味だったって事?

 いや、でも見た目と中身が違うからって騙されたと思われるならやっぱりコンプレックスになるところだよね?



 ……あれ? 何か良く分からなくなって来た。


 迷走していく思考が更に混乱を極めてしまう。
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