【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 そうしているうちに愛良以外の人も話し始めた。


「聖良先輩のせいじゃないのに、そんな悪口言うなんて」

「いや、でも小学生の頃なんだろ? 多少は仕方なくねぇ?」

 浪岡君の言葉に津島先輩が反論する。
 そして俊君が続いた。


「そういえば昨日聖良先輩に告白してた男もそんな誤解していたみたいですね」

 告白していた男って鈴木君の事だよね?
 そんな誤解って、どう言う事?

「ああ、そう言えば昨日の報告で聞いたな。確か急な転校話で焦って告白した奴がいると」

 田神先生まで会話に入ってくる。

「つまりは外見で好きになって、中身をよく知らないうちに転校の話が出たから慌てて告白した、と」

 そう解説した田神先生の言葉に、零士が鼻で笑って付け加えた。


「フンッ。と言うことは、転校話が無かったら告白なんてされるわけが無かったって事だな」


 やっぱりな。お前なんてその程度の女なんだよ。

 と、口だけではなく目も語っていた。


 っ! ホンット、腹立つー!


 確かに昨日が初めての告白だったけど……。

「そんなの分からないでしょ⁉ 中身も知った上で告白してくれる人もいるかも知れないじゃない」

 半分悔し紛れに言うと、零士は私を改めて上から下まで見た上で鼻で笑った。


 コンノヤロー!
 言葉で何か言われるより腹立つ――!!
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