【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
落ち着いたはずの心臓が、ドクドクと嫌に脈打ち始めた。
それでも何とか落ち着こうと、呼吸を浅くしてみる。
そんな私に気付いていないのか、三橋先生が着席を促した。
「じゃあ香月さんの席は後ろの窓際よ。座って頂戴」
促されるまま後ろの席に座ると、視線が少なくなって何とか呼吸を正常に戻せる。
世の転校生って、皆こんな視線にさらされるのかな?
なんて一瞬思ったけれど、そんなわけない。
私が吸血鬼の“花嫁”である愛良の姉で、愛良に劣るとはいえ特別な血を持っているからなんだろう。
説明されても具体的にどんな扱いをされるのかピンと来ていなかった。
でもこの視線を感じたら嫌でも実感する。
この学園も、この学園に来てしまった私と愛良も、《普通》じゃないんだって……。
でも、私ですらこんな感じなんだ。愛良は大丈夫かなぁ?
後ろの席で少し落ち着けた分、他のことを考える余裕が出来た。
すると心配になるのはやっぱり愛良の事。
本当に、大丈夫なのかな?
私は登校初日の朝から、すでに不安でいっぱいになってしまっていた。
***
「香月さん」
「え? は、はい?」
HRが終わってすぐに隣の席の女子に声を掛けられ、慌てて返事をする。
同時に声の主を見て息を呑んだ。
それでも何とか落ち着こうと、呼吸を浅くしてみる。
そんな私に気付いていないのか、三橋先生が着席を促した。
「じゃあ香月さんの席は後ろの窓際よ。座って頂戴」
促されるまま後ろの席に座ると、視線が少なくなって何とか呼吸を正常に戻せる。
世の転校生って、皆こんな視線にさらされるのかな?
なんて一瞬思ったけれど、そんなわけない。
私が吸血鬼の“花嫁”である愛良の姉で、愛良に劣るとはいえ特別な血を持っているからなんだろう。
説明されても具体的にどんな扱いをされるのかピンと来ていなかった。
でもこの視線を感じたら嫌でも実感する。
この学園も、この学園に来てしまった私と愛良も、《普通》じゃないんだって……。
でも、私ですらこんな感じなんだ。愛良は大丈夫かなぁ?
後ろの席で少し落ち着けた分、他のことを考える余裕が出来た。
すると心配になるのはやっぱり愛良の事。
本当に、大丈夫なのかな?
私は登校初日の朝から、すでに不安でいっぱいになってしまっていた。
***
「香月さん」
「え? は、はい?」
HRが終わってすぐに隣の席の女子に声を掛けられ、慌てて返事をする。
同時に声の主を見て息を呑んだ。