【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 “花嫁”として?

「確かに、愛良には劣るけど特別な血を持ってるって言われたけど……。でも、愛良の方が狙われるってのは変わりないでしょう?」


『……』
 揃って黙られてしまった。


「うん、これあれだ」
「あの人たちの説明も足りないけど、聖良さんの認識も(かたよ)ってるって感じだね」

「えっと……」
 もう少し分かるように説明して欲しい。

 そう思うのだけど、二人だけで話が進んでいく。


「仕方ない。あの人たちにとってはやっぱり愛良ちゃんの方が重要って事でしょ。聖良は私達が守ろう」
「そうだね。聖良さんにももっと危機感持ってもらわないとないし、俺達が頑張ろう」

 よく分からないうちに二人で何やら決意を固めている。


 口を挟めないまま「えっとー」と困っていると、二人は改めてこっちを向いた。


「とにかく、聖良も狙われてるってことはちゃんと理解してね」
「そう。出来る限り俺達みたいなVH生と一緒にいてくれな?」

 二人の真剣さに押され、よく分からないけど「わ、分かった」と答えた。

 ついでに、さっき疑問に思ったことを聞いておく。


「そういえばさっきもVH生だと頼れるとか言ってたけど、どういうこと?」

「あー」
「それなー」

 私の質問に二人は揃って困った顔をした。


 何かこの二人仲良いなぁ。
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