【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 何ていうか、初めから強烈な人だな……。

 まあ、悪い子じゃないってのは分かったけど。


「こら鏡、初っ端から飛ばしすぎ。二人とも引いちゃってるじゃない」

「え? あ、ごめんなさい。あたしよく騒がしいって言われちゃうんだよね」

 ごめんね、とテヘペロしながら彼女は愛良の手を離した。


 何ていうか……普通に可愛い子だな。

 美少女とかいうわけじゃないけど、人懐っこいというか。


 うん、愛良と仲良くしてくれそう。


 そう思って愛良を見ると、戸惑いつつもその眼には喜びが宿っている。

 仲良くなれそうって思っていそうだな。


「ごめんね二人とも。この子が愛良ちゃんと同じクラスのVH生で、(かがみ) 瑠希(るき)。どうかな? 仲良くできそう?」

 テンション高めな鏡さんに引いてるように見えたんだろう。
 嘉輪はちょっと不安そうに聞いてきた。

 まあ、ちょっと引いちゃったのは事実だけど……。


「はい。楽しい人だね、鏡さんって」

 笑顔でそう言った愛良に嘉輪はホッとしていた。

「瑠希って呼んで? 友達になるんでしょ?」

「あ、うん! あたしも愛良って呼んでね」

 そうして二人は握手する。

 何だか微笑ましい気持ちでその光景を見ていると、嘉輪が「よし」と手を軽く合わせた。

「じゃあ温泉行こっか?」

< 203 / 741 >

この作品をシェア

pagetop