【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 入り口には普通の温泉のように暖簾が掛かってあって、脱衣所も鍵付きロッカーに大きな鏡のついた洗面台。

 もはやまんま普通の温泉施設だった。


 中の温泉はどんなだろうなとウキウキしながら服を脱いでいると、瑠希ちゃんがじっと私を見ていることに気付いた。

「ん? どうしたの、瑠希ちゃん」

「……聖良先輩って、着やせするタイプだったんですね……」

 そう言って自分の胸を見る瑠希ちゃん。


 瑠希ちゃんの胸はまあ……ささやかというか。
 でも一部の男子にはとても需要がありそうな体型だ。

 私は瑠希ちゃんの目が物語っているように胸だけは結構ある。

 服を着ているとそこまで目立たないけど、EかFはあると思う。
 でも、それだけだ。

 ウエストはそこまでキュッとなってるわけじゃないし、胸に対してお尻のボリュームが少ない。

 ハッキリ言ってしまうとアンバランスなんだ。


 この体型もコンプレックスだったりするんだよね。

 だから羨ましそうに見られても困る。


「うーん、でも愛良の方がスタイルいいし。私は愛良の方が羨ましいんだよね」

 そう言って注意を愛良に向ける。


「何言ってるのよお姉ちゃん。あたしだってそんな自信持てる体型じゃないんだけど?」

 そう恨めし気に見てくる愛良はバランスのいい体型だと思う。

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