【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
ただ……そこには女子生徒だけではなく、彼女と抱き合うようにしている男子生徒もいた。
「っ⁉」
見た瞬間、しまったと思った。
もしかしてこれ、恋人同士の邪魔しちゃった⁉
まさかとは思うけど、情事の真っ最中とかいわないわよね⁉
あたしは青くなったり赤くなったりしながらもその場で固まってしまった。
ここはとりあえず謝って出て行った方がいい場面だよね。
遅ればせながらそう思い至った私は謝罪をしようと口を開く。
「すみま――」
「! た、すけ……」
でも、言い切る前に私に気付いた女生徒が助けを求めてきた。
頬は少し上気しているようにも見えたけれど、表情は明らかに怯えと恐怖が入り混じっている。
「え?」
何?
恋人同士じゃないの?
逃げた方がいいのか、助けた方がいいのか迷った私はすぐに動けなかった。
逃げた方が賢い選択なのかも知れない。
けれど、助けを求めてきた彼女を見捨てるような真似も出来そうになかったから。
そうしているうちに、赤が薄っすら入った焦げ茶の髪をした男子生徒が私の方に顔だけを向ける。
その形のいい唇からは、一筋の赤い線がしたたり落ちていた。
「誰だぁ? 食事の邪魔すんのは」
そう言って、口元の赤いものを舐めとる男子生徒。
「っ⁉」
見た瞬間、しまったと思った。
もしかしてこれ、恋人同士の邪魔しちゃった⁉
まさかとは思うけど、情事の真っ最中とかいわないわよね⁉
あたしは青くなったり赤くなったりしながらもその場で固まってしまった。
ここはとりあえず謝って出て行った方がいい場面だよね。
遅ればせながらそう思い至った私は謝罪をしようと口を開く。
「すみま――」
「! た、すけ……」
でも、言い切る前に私に気付いた女生徒が助けを求めてきた。
頬は少し上気しているようにも見えたけれど、表情は明らかに怯えと恐怖が入り混じっている。
「え?」
何?
恋人同士じゃないの?
逃げた方がいいのか、助けた方がいいのか迷った私はすぐに動けなかった。
逃げた方が賢い選択なのかも知れない。
けれど、助けを求めてきた彼女を見捨てるような真似も出来そうになかったから。
そうしているうちに、赤が薄っすら入った焦げ茶の髪をした男子生徒が私の方に顔だけを向ける。
その形のいい唇からは、一筋の赤い線がしたたり落ちていた。
「誰だぁ? 食事の邪魔すんのは」
そう言って、口元の赤いものを舐めとる男子生徒。