【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

危険度上昇

 保健室に行くと、今日は保健の先生がいてくれた。

 高等部保健室の高峰(たかみね) 薫子(かおるこ)先生は、Vのピンをつけている吸血鬼の先生だ。

 けれど優しい先生で、私や愛良の事を気遣ってくれていた。


 その高峰先生に脈を測って貰ったり、咬まれた場所を見てもらったりと診察してもらう。

「気持ち悪いとか、ふらついたりとかはある?」

「……いえ、症状としてはないです」

 答えながら気分は最悪ですけど、と思った。


 咬まれて血を吸われたことももちろん嫌ではあったけれど、女として襲われたことの方が嫌悪の感情が強い。

 多分そのせいで田神先生に触れられたとき拒絶反応を起こしてしまったんだ。


 血を吸われたのは、何というか……でっかい蚊に刺されたようなもんだと思う。

 色々と違うところはあるけれど、私の意志とは関係なしに勝手に吸われたんだから似たようなものだろう。

 多分、だから吸血行為で吸血鬼の人達が怖くなったなんてことにはなっていないんじゃないかな?


 でもそれを嘉輪や高峰先生に伝えると。


「え……いや、それはそれで微妙な気分になるんだけれど……」
「……でっかい蚊……。いえ、そう思ってることで無意識に怖さを軽減させているのかもしれないわね。……でも、でっかい蚊……」


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