【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 何とか零士以外をと他の二人の名前を出してみるけれど、それも却下される。

「駄目だ。学年が違っていてすぐに駆け付けられない二人をメインの護衛にするわけにはいかない」

「……でも……俺は愛良を……」

「危険度が増していることは分かっているだろう?」

 零士は尚も躊躇(ためら)っていたけれど、危険度が増しているという言葉に押し黙った。


「え? 危険度? 増しているって……どういう……?」

 私の護衛の話をしていて危険度という言葉が出てきたなら、私が狙われやすくなっているということだろうか。

 でもどうして突然その危険度が上がってしまったのか。


 戸惑いながら聞くと、答えてくれたのは高峰先生だった。

「危険度が増したのは……聖良さん、あなたが咬まれて血を流したからよ」

 硬い声に高峰先生を見ると、その表情も強張っていた。


「え? どういうことですか?」

 私が咬まれて血を流して、どうして狙われやすくなるというのか。

 まあ、岸は狙ってきそうではあったけれど……。


 本気で分からない私に、高峰先生は言い聞かせるように続けた。


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