【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「……分かってるよ。でもな、それは愛良も同じだろ? 俺が絶対こいつに付かなきゃいけない理由なんて――」
「あるだろう? 今さっき、それが証明された」
分かっていても私の護衛に付きたくない零士は尚も拒否する。
でも、田神先生に遮られた。
いざというとき触れもしないで守ることは出来ない。
同じクラスで一番近くにいる石井君はダメだった。
津島先輩や俊君が駆け付けられたとしても、彼らに触れた場合はあくまで取り繕えるといった程度。
怖さがないわけじゃない。
結果、一番大丈夫で石井君の次に近くにいる零士が護衛に付くのが最良ってこと。
田神先生はそう判断したってことだ。
私と零士の仲の悪さを差し引いても、その方法が一番良いって。
「……でも」
それでも割り切れない零士に、今まで黙って見ていた愛良が近付く。
そして零士の手を握った。
って!
こら愛良! そんな奴の手を握るんじゃない!
親が子供に注意するような感じでそう思ったけれど、流石に場違いなので言葉には出さなかった。
それに、愛良の表情は真剣なものだったから……。
「零士先輩、あたしからもお願いします。お姉ちゃんを守って下さい」
「愛良……」
「あるだろう? 今さっき、それが証明された」
分かっていても私の護衛に付きたくない零士は尚も拒否する。
でも、田神先生に遮られた。
いざというとき触れもしないで守ることは出来ない。
同じクラスで一番近くにいる石井君はダメだった。
津島先輩や俊君が駆け付けられたとしても、彼らに触れた場合はあくまで取り繕えるといった程度。
怖さがないわけじゃない。
結果、一番大丈夫で石井君の次に近くにいる零士が護衛に付くのが最良ってこと。
田神先生はそう判断したってことだ。
私と零士の仲の悪さを差し引いても、その方法が一番良いって。
「……でも」
それでも割り切れない零士に、今まで黙って見ていた愛良が近付く。
そして零士の手を握った。
って!
こら愛良! そんな奴の手を握るんじゃない!
親が子供に注意するような感じでそう思ったけれど、流石に場違いなので言葉には出さなかった。
それに、愛良の表情は真剣なものだったから……。
「零士先輩、あたしからもお願いします。お姉ちゃんを守って下さい」
「愛良……」