【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
克服と恋心
田神先生に頑張ると宣言してから、私は婚約者候補のみんなに協力してもらって克服するために奮闘した。
と言っても、主に協力してもらったのは石井君なんだけれど。
「じゃあ、お願い!」
「ああ」
いつもの会議室。
二人だけでそんなやり取りをして、石井君は私の腕を掴んだ。
しばらくそのままでいて拒絶反応は起こさないことを確認すると、「次行くぞ」と断りを入れられて今度は軽く抱き締められる。
「っ!」
恐怖とは関係なく、普通に恥ずかしくて息を呑む。
こんな風に異性に抱きしめられたことなんて今までなかったことだから。
でも今は既に三回目。
克服のためにしていることで、変な意味合いはない抱擁だ。
流石に少しは慣れてきたこともあって、恥ずかしさから来る緊張は比較的早く収まってくれた。
「……どうだ? これが大丈夫なら護衛する分には問題ないと思うが……」
「うん……」
じっとそのままでいて、様子をみる。
女とは違う石井君の硬い腕。
その硬さと力強さには確かに男を感じた。
二回目のときはまだ、しばらくすると手が小刻みに震えていたんだけれど、今回は中々その震えは来ない。
「……大丈夫、かも?」
そう呟いてからたっぷり十秒ほど待ってみても特に反応はない。
「……大丈夫、みたいだな?」
と言っても、主に協力してもらったのは石井君なんだけれど。
「じゃあ、お願い!」
「ああ」
いつもの会議室。
二人だけでそんなやり取りをして、石井君は私の腕を掴んだ。
しばらくそのままでいて拒絶反応は起こさないことを確認すると、「次行くぞ」と断りを入れられて今度は軽く抱き締められる。
「っ!」
恐怖とは関係なく、普通に恥ずかしくて息を呑む。
こんな風に異性に抱きしめられたことなんて今までなかったことだから。
でも今は既に三回目。
克服のためにしていることで、変な意味合いはない抱擁だ。
流石に少しは慣れてきたこともあって、恥ずかしさから来る緊張は比較的早く収まってくれた。
「……どうだ? これが大丈夫なら護衛する分には問題ないと思うが……」
「うん……」
じっとそのままでいて、様子をみる。
女とは違う石井君の硬い腕。
その硬さと力強さには確かに男を感じた。
二回目のときはまだ、しばらくすると手が小刻みに震えていたんだけれど、今回は中々その震えは来ない。
「……大丈夫、かも?」
そう呟いてからたっぷり十秒ほど待ってみても特に反応はない。
「……大丈夫、みたいだな?」