【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 赤井と一緒に来たってことは、この子も城山学園の生徒なのかな?


 白のワイシャツに、暗めの赤チェック柄のズボンを履いている。

 赤井も今日はワイシャツだけど、ズボンは昨日と同じ学ランのものだ。


 制服が違うってことは中学生なのかな?


 そんな風に見ていると、彼はニッコリ笑って自己紹介をしてくれた。

「初めまして、愛良さん、聖良先輩。僕は城山学園中等部三年の浪岡(なみおか) 将成(まさなり)です。よろしくお願いします」

 そしてペコリと頭を下げる浪岡君に私は可愛いな、と思った。

「あ、あたしと同い年なんだ? こちらこそよろしく、浪岡君」

 自己紹介を聞いた愛良がにこやかにそう返す。
 そして、続けて疑問をぶつけた。


「それにしてもどうしてあなた達がこんな朝から?」

 そうそう、それが一番の疑問なんだ。

 私も答えを求めて二人を見る。


 すると赤井は更にムスッと不機嫌な顔になる。
 これでは答えてくれそうにない。

 それを浪岡君も感じ取ったのか、困り笑顔で説明してくれた。


「僕たちはお二人の護衛なんです」

『は?』

 私と愛良の声が重なる。


「護衛?」

 そしてそれまで黙っていたお母さんが聞き返した。


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