【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「昨日田神先生が話したと思いますけれど、城山学園は特別な――というか、特殊な人たちが集められています。そんな特殊な人たちを狙っている人もいるんです。だから学園で守らなくてはならないんですが……」

 ああ、昨日の話で一番胡散臭かったやつか。
 今聞いても胡散臭いな。というか、更に胡散臭いんだけど……。

 特殊って言うのが一番訳が分からない。

 目の前の二人はそういう何か特殊な部分があるのかも知れないよ?
 でも私と愛良も特殊だっていうのが信じられないんだもん。

 そう思って軽く眉を寄せたけれど、取りあえず黙って浪岡君の話を聞いていた。


「それで、昨日の時点で愛良さんと聖良先輩も城山学園に転入することが決まったので、お二人も狙われる可能性があるんです。なので僕たちが護衛に来ました」

 この説明で理解してもらえたかな?
 と言うように浪岡君は上目づかいで私達の様子を見る。

 ちょっと何それ、可愛いんだけど!


 ……っと、それはまず置いておこう。


 とりあえず二人が来た理由は理解出来た。
 胡散臭いし、不信感ありまくりだけどとにかく分かった。

 でも、同じ城山学園の生徒である浪岡君たちは狙われたりしないのかとか。
 それ以前に二人は学校行かなくていいのかとか。

 疑問は他にも山ほどある。

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