【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「何やってるのかな? 私が振ってからって……何か私が原因になってる?」

 だとしたらちょっと気になる。

 私が原因で悪いことに手を染めてるとかだったら嫌だし。


「何やってるかは分からないけれど、悪いことしてるって感じじゃあないわよ? そこまで気にしなくていいんじゃない?」

 軽く言う有香に、それなら良いんだけど……と鈴木君達から目を逸らした。

 それと同時に、近くにいた俊君が私の肩を抱いてくる。


「っ⁉ え?」

 突然の行動にとにかく驚いた。

「俊君、何を⁉」

 過度なスキンシップかと思って注意しようとしたけれど、見上げた彼の顔は真剣なもの。


「……聖良先輩。念のため、離れないで下さいね」

「っ……うん」

 何があったのか、分からなかったけれど警戒するべきものがあったんだろう。

 私は素直に従った。


 でも事情を知らない有香は……。

「聖良……本当に赤井くんと付き合ってないんだよね……?」

 じとーっと睨まれる。

「そういうんじゃないよ」

 とは言ったけれど、この状態じゃ説得力はなさそうだなと思った。


 有香に疑わし気に見られながら何とか目的の雑貨店に入ると、俊君はやっと肩を抱く腕を離してくれた。

「すみません。俺達以外の吸血鬼の気配がしたので……」

 離れる前にこそっと教えてくれた。

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