【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
そうしているうちに有香は満足したのか、いつの間にか俊君から離れて私と一緒に商品を見るようになる。
「あれ? もう俊君は良いの?」
「うん、ちょっとはくっつけたしね。それにあんまり拘束すると怒らせちゃいそうだし」
「ははは」
くっついた時点で怒られそうだったってのは言わないでおいた方がいいかな?
「あ、この香水の瓶可愛い。どんな香りかな?」
そう言って有香は手首にサンプルを吹きかけた。
その時、今まで袖で見えなかった場所に赤いものが見える。
「あれ? 有香、それ虫刺され?」
「え? ああ、そうそうもう夏も終わりなのにしぶとい蚊がいたみたいでさ」
そう言って、有香はさりげなく袖でその虫刺されを隠していた。
「そう……」
少しの引っ掛かりを覚える。
だって、有香のそれは虫刺されというより……キスマークのように見えたから。
少し前まで、早く消えろーと見続けていた私の首にあったものと似ている様に見えたから……。
もう少し突っ込んで聞いていいものか迷っていると、また別の声がした。
「え? 香月?」
「ん?」
名前を呼ばれ、声の方を見る。
そこには“飴屋”こと忍野君がいた。
「あ、忍野君久しぶり。偶然だね?」
「あれ? もう俊君は良いの?」
「うん、ちょっとはくっつけたしね。それにあんまり拘束すると怒らせちゃいそうだし」
「ははは」
くっついた時点で怒られそうだったってのは言わないでおいた方がいいかな?
「あ、この香水の瓶可愛い。どんな香りかな?」
そう言って有香は手首にサンプルを吹きかけた。
その時、今まで袖で見えなかった場所に赤いものが見える。
「あれ? 有香、それ虫刺され?」
「え? ああ、そうそうもう夏も終わりなのにしぶとい蚊がいたみたいでさ」
そう言って、有香はさりげなく袖でその虫刺されを隠していた。
「そう……」
少しの引っ掛かりを覚える。
だって、有香のそれは虫刺されというより……キスマークのように見えたから。
少し前まで、早く消えろーと見続けていた私の首にあったものと似ている様に見えたから……。
もう少し突っ込んで聞いていいものか迷っていると、また別の声がした。
「え? 香月?」
「ん?」
名前を呼ばれ、声の方を見る。
そこには“飴屋”こと忍野君がいた。
「あ、忍野君久しぶり。偶然だね?」