【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
岸、再び
はじめは一時間の延長だった。
元々フリータイムで予約していたし、混んでいなければそのまま部屋を使っても良いって状態だったから。
俊君と浪岡君は少し渋っていたけれど、一時間だけだからと皆で頼み込んだ。
それだけだったら良かったんだけど……一時間経っても退室を願う電話が鳴ることは無くて……。
あと何曲歌えるかなって時間を気にしていたから、中々鳴らない電話に不思議に思った。
それでも忙しいのかなって思ってはじめは気にしていなかったんだけれど……。
五分、十分と過ぎても鳴らないのはおかしい。
それに何より俊君達と約束した一時間は確実に過ぎてしまっていた。
とにかくもう帰らないと。
外で護衛にあたっている人達にも悪いし。
「……聖良先輩、そろそろ……」
丁度浪岡君にもそう耳打ちされ、「うん」と返した。
「有香、そろそろお開きにしよう?」
有香が歌い終わったのを見計らってそう提案する。
なのに有香は「え? 何で?」とか言ってとぼけるから、私はスマホのロック画面を見せながら言った。
「約束の時間はもうとっくに過ぎてるの! 流石に護衛の人にも悪いから私もう帰るよ」
時間に気付いていないだけだと思ったから、そう言えば納得してもらえると思った。
なのに――。
元々フリータイムで予約していたし、混んでいなければそのまま部屋を使っても良いって状態だったから。
俊君と浪岡君は少し渋っていたけれど、一時間だけだからと皆で頼み込んだ。
それだけだったら良かったんだけど……一時間経っても退室を願う電話が鳴ることは無くて……。
あと何曲歌えるかなって時間を気にしていたから、中々鳴らない電話に不思議に思った。
それでも忙しいのかなって思ってはじめは気にしていなかったんだけれど……。
五分、十分と過ぎても鳴らないのはおかしい。
それに何より俊君達と約束した一時間は確実に過ぎてしまっていた。
とにかくもう帰らないと。
外で護衛にあたっている人達にも悪いし。
「……聖良先輩、そろそろ……」
丁度浪岡君にもそう耳打ちされ、「うん」と返した。
「有香、そろそろお開きにしよう?」
有香が歌い終わったのを見計らってそう提案する。
なのに有香は「え? 何で?」とか言ってとぼけるから、私はスマホのロック画面を見せながら言った。
「約束の時間はもうとっくに過ぎてるの! 流石に護衛の人にも悪いから私もう帰るよ」
時間に気付いていないだけだと思ったから、そう言えば納得してもらえると思った。
なのに――。