【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
笑い声と共に告げられた言葉に、私の抵抗も止まる。
「全く……薬を使えれば楽なのに」
悪態をつくシェリーに岸は皮肉気に笑った。
「例の特殊な薬か? あれを使ったら自分達が何者かすぐにバレるから使えねぇって言ったのはお前だろうが」
「分かってるわよ! 一々うるさいわね。……さ、行くわよ」
軽く息を吐いて落ち着いたシェリーの言葉に、今度は従う愛良。
でも不安そうに、心配そうに私を見て「お姉ちゃん」と呟きながら足を動かしていた。
「愛良……」
私も愛良を見続けることしか出来ない。
無関係なはずの有香達に酷いケガなんてさせるわけにいかないから……。
でもそうして姿が見えなくなるまで見続けていると突然耳を舐められた。
「っひゃあ⁉」
そのまま甘噛みされて、訳も分からず変な声が出てしまう。
「やっ何? んっ」
「あんまり見続けるなよ、妹とは言え嫉妬しちまうだろぉ?」
「は? 何そっや、ぁんっ」
「イイ声……耳弱ぇんだ? イイこと知った」
呟くと、執拗に耳を舐めてくる岸。
私は訳が分からなくて翻弄されるばかり。
でも、そんな中でもこの状況を何とかしなきゃと考える。
何とか逃れて、愛良を助けに行く方法を。
自力で抜け出せないなら離してもらうしかない。
でもどうやって?
「全く……薬を使えれば楽なのに」
悪態をつくシェリーに岸は皮肉気に笑った。
「例の特殊な薬か? あれを使ったら自分達が何者かすぐにバレるから使えねぇって言ったのはお前だろうが」
「分かってるわよ! 一々うるさいわね。……さ、行くわよ」
軽く息を吐いて落ち着いたシェリーの言葉に、今度は従う愛良。
でも不安そうに、心配そうに私を見て「お姉ちゃん」と呟きながら足を動かしていた。
「愛良……」
私も愛良を見続けることしか出来ない。
無関係なはずの有香達に酷いケガなんてさせるわけにいかないから……。
でもそうして姿が見えなくなるまで見続けていると突然耳を舐められた。
「っひゃあ⁉」
そのまま甘噛みされて、訳も分からず変な声が出てしまう。
「やっ何? んっ」
「あんまり見続けるなよ、妹とは言え嫉妬しちまうだろぉ?」
「は? 何そっや、ぁんっ」
「イイ声……耳弱ぇんだ? イイこと知った」
呟くと、執拗に耳を舐めてくる岸。
私は訳が分からなくて翻弄されるばかり。
でも、そんな中でもこの状況を何とかしなきゃと考える。
何とか逃れて、愛良を助けに行く方法を。
自力で抜け出せないなら離してもらうしかない。
でもどうやって?