【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
私の時も急だったけれど、忍野君もスピード転校だったと驚きの絵文字付きで教えてくれた。
だから田神先生とかなら何か知ってるんじゃないかと聞いてみたかったんだけれど、話す機会がなくそのまま数日が過ぎてしまった。
そうして首のキスマークも薄れてきた文化祭直前のある日。
田神先生がいつもの会議室に嘉輪達も含めた皆を集めたんだ。
***
「お姉ちゃん、あたしちょっと後から行くね」
「え? 愛良?」
集合時間より三十分ほど前に私の部屋に来てそう言った愛良は、そのままどこかへ行ってしまった。
一人でどこに行くの? と心配したけれど、廊下の先の方に瑠希ちゃんがいたのでホッとする。
その瑠希ちゃんと何を話しているのかは分からない。
けれど、幸せそうに何かを決意したような表情が見えてピンときた。
同時に、寂しさが胸に宿る。
私の愛良が、他の誰かの愛良になってしまうんだなぁと思ってしまって……。
もちろん姉妹なんだからその関係が崩れるわけじゃない。
でも、小さなころから守ってきた大事な妹。
その妹を守るのは、もう私ではないんだなって思って……。
そして予想通り、愛良は皆より少し遅れて会議室に入ってきた。
幸せそうな表情で、零士と手を取り合って。
「皆に、伝えておきたいことがあります」
だから田神先生とかなら何か知ってるんじゃないかと聞いてみたかったんだけれど、話す機会がなくそのまま数日が過ぎてしまった。
そうして首のキスマークも薄れてきた文化祭直前のある日。
田神先生がいつもの会議室に嘉輪達も含めた皆を集めたんだ。
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「お姉ちゃん、あたしちょっと後から行くね」
「え? 愛良?」
集合時間より三十分ほど前に私の部屋に来てそう言った愛良は、そのままどこかへ行ってしまった。
一人でどこに行くの? と心配したけれど、廊下の先の方に瑠希ちゃんがいたのでホッとする。
その瑠希ちゃんと何を話しているのかは分からない。
けれど、幸せそうに何かを決意したような表情が見えてピンときた。
同時に、寂しさが胸に宿る。
私の愛良が、他の誰かの愛良になってしまうんだなぁと思ってしまって……。
もちろん姉妹なんだからその関係が崩れるわけじゃない。
でも、小さなころから守ってきた大事な妹。
その妹を守るのは、もう私ではないんだなって思って……。
そして予想通り、愛良は皆より少し遅れて会議室に入ってきた。
幸せそうな表情で、零士と手を取り合って。
「皆に、伝えておきたいことがあります」