【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
顔は一応笑顔になっていた。
でも、その目に宿った悲しみは隠せていない。
傷つかないで欲しいとは思ったけれど、やっぱり失恋で悲しくならないなんて無理な話だ。
私は慰めるべきかと少し考えてやめた。
今私に何か言われたところで失恋の傷は癒えないだろうし、癒すのは私じゃなくて次に石井君が好きになった人の役目だ。
ちなみに、その役目に私はなる気は無い。
恋の種を起こしてくれたのは確かに石井君だったけれど、芽生えるほどではなかったから。
それに、逆に石井君が私を思う様になってしまったらその方が幻滅だ。
愛良の代わりにされている気分になっちゃいそうだし。
だから、石井君に関してはただ願うだけ。
次の恋は、成就してほしいなって。
「……そうか、分かった。じゃあそのように進めていくことにしよう」
田神先生はそう承知すると、愛良達にも座るように促した。
愛良達が座ったのを確認すると、田神先生はお別れ会襲撃事件で分かったことを報告してくれる。
愛良を攫って行こうとしたあのシェリー一味は、月原家という赤井家とは何かと対立したがる家の吸血鬼――かも知れない、という事だった。
あくまで“かも知れない”と言うのは確証がないから。
でも、その目に宿った悲しみは隠せていない。
傷つかないで欲しいとは思ったけれど、やっぱり失恋で悲しくならないなんて無理な話だ。
私は慰めるべきかと少し考えてやめた。
今私に何か言われたところで失恋の傷は癒えないだろうし、癒すのは私じゃなくて次に石井君が好きになった人の役目だ。
ちなみに、その役目に私はなる気は無い。
恋の種を起こしてくれたのは確かに石井君だったけれど、芽生えるほどではなかったから。
それに、逆に石井君が私を思う様になってしまったらその方が幻滅だ。
愛良の代わりにされている気分になっちゃいそうだし。
だから、石井君に関してはただ願うだけ。
次の恋は、成就してほしいなって。
「……そうか、分かった。じゃあそのように進めていくことにしよう」
田神先生はそう承知すると、愛良達にも座るように促した。
愛良達が座ったのを確認すると、田神先生はお別れ会襲撃事件で分かったことを報告してくれる。
愛良を攫って行こうとしたあのシェリー一味は、月原家という赤井家とは何かと対立したがる家の吸血鬼――かも知れない、という事だった。
あくまで“かも知れない”と言うのは確証がないから。