【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 初めに聖良の血を飲んでから一週間以上は経っている。

 実際そろそろ気だるい感じにはなって来ていた。

 吸血衝動が出始めた頃から週一で飲んでいた血液パック。

 確かに飲んだ方がいいだろう。


 俺は無言のままキャップを開けいつものように口をつけた。

 ……だが。


「ぅぐっ! ぺっ! 何だこりゃあ⁉ マズ過ぎて飲めねぇぞ⁉」

 聖良の血とは違って、血液パックの血は元々美味しいと思ったことはない。

 例えるならクセのある栄養ドリンクみたいな感じだ。
 飲めるけれど、別に好んでたくさん飲みたいと思うほどじゃない。

 そんな血液パックだが、これほど生臭くてマズイと思ったことはなかった。

 なんでだ?
 日が経って劣化したものでも渡されたのか?


 もしそうならシェリーの仕業という事で、睨むように目の前の女を見た。

 でも、その表情はしてやったりというようなものではなく驚きのもの。

 別に狙って劣化したものを渡したというわけじゃなさそうだ。


「え? それ今日届いたばかりのものよ? 私も飲んだけれど、そこまでマズイなんてことは……まさか“花嫁”の血を飲んだからってわけじゃないと思うし……」

 ぶつぶつ呟く声に俺も内心同意する。

 聖良の血は確かに極上の味がした。

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