【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 仲が悪そうだと思っていた二人だからビックリしたけれど、話をしている二人は普通の先輩後輩だった。

 前に嘉輪が言った通り仲が悪いわけではなさそうだ。


 そうして相談した弓月先輩の紹介で鬼塚先輩にこうして空手を習っているんだ。

 嘉輪の話では、V生だと基本的な身体能力が違うから教えるには向かないとのこと。

 だから弓月先輩に相談して、そして弓月先輩は“花嫁”に理解のあるH生の中で、格闘技を教えることに特化した人を紹介してくれたんだとか。


 それが空手部部長でもある鬼塚先輩というわけだ。

 部活動のかたわら教えてもらってるんだから、ちゃんと集中しないと。


「お前は型とかより集中力を鍛えた方が良いのかもしれないな」

「うっ……」

 鬼塚先輩にも突っ込まれてしまった。


「岸に会ったときにぶんなぐってやりたいんだろう? 気ばかり焦ると当たるものも当たらないぞ?」

「う……はい」

 鬼塚先輩にはそのぶっちゃけた理由も話していた。


 というか、どうして格闘技を習いたいのかと初めに聞かれたとき思わず力いっぱいそう叫んでいたから……。

 でも逆にその私の答えを聞いて教えることを了承してくれたらしい。


 何でも、岸が在学中に違反吸血をした人間の中に彼の幼馴染も入っていたらしく、不満を抱えていたらしい。

< 362 / 741 >

この作品をシェア

pagetop