【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「そうやってハンターと結婚して、子供が出来て吸血鬼が諦めたって例もあるらしい」

「吸血鬼が諦めるんですか?」

 そんなことがあるのかと聞き返す。


「ああ、なんか子供を産むと血が変わってしまうらしいぞ。血婚って言ったか? あの契約をした場合はそうでもないらしいが……人間の俺には詳しいことは良く分からん」

 そう言って詳しい説明を放棄した鬼塚先輩は、「だから」と続ける。

「一応吸血鬼の中から婚約者候補は出されてるみたいだけど、お前はそれにこだわる必要ないんじゃないか?」

「……つまり?」

 鬼塚先輩の言いたいことが分るような分からないような……。

 なので聞き返してハッキリした答えを求めた。


「つまり、ハンターの誰かを選んでも良いんじゃないかってことだ。……俺とか」

「え⁉」

「ああ、あくまで例えばの話な。でも今のところ聖良と仲の良い男のH生って俺くらいだろ? それにまあ俺もお前のことは気に入ってるし……」

 そう言って少し照れ臭そうに頬をかく鬼塚先輩。


 ……これは、どうとればいいのか……。


 答えを迷っていると、鬼塚先輩がとある提案をしてきた。


「まあそう言うわけだから、そのデート? 俺も参戦してみていいか?」

「はい⁉」

 どうしてそういう話になったの⁉


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