【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 恋愛対象としては見れないと思うのに、やっぱり好きだなぁって思ってしまう。

 それはあくまで友達とか、後輩に対するものでしか無いんだけれど……。


 ハッキリさせた方が良いのかな?
 それとも、俊君はハッキリさせないで欲しいと思っているのかな?

 どっちにしろいずれはハッキリさせて伝えなきゃならない。


 あなたは選べないって。

 とても申し訳ないけど、多分どう転んでも浪岡君と俊君は選ばない。

 どうしても恋愛対象に見れないんだ。


 そんな申し訳無さを胸に秘めて、愛良へのお土産を買うと休憩のため私達はカフェに入った。


 カフェオレでホッと一息つくと、俊君がおもむろに質問してくる。

「聖良先輩は俺達のこと振るつもりでしょう?」

「っ⁉」

 どストレートな聞き方に言葉だけじゃなく息も詰まる。

 カフェオレを飲んでる最中だったら確実に噴き出してる。

 いや、だから飲んでないときを見計らったんだろうけれど。


「さっき手をつないだときの様子でバレバレですよ」

 そう言って苦笑いする俊君。

「あのつなぎ方は嫌だって顔にありありと浮かんでましたから」

「……」


 そう、だったんだ……。


 無意識にしてしまった表情だったから、自分じゃ分からなかった。

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