【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「自分たちのせいでお姉ちゃんがそうやって気落ちしてるって知ったらそれこそ俊先輩達悲しむんじゃないの?」

 ピシャリと事実を言われてしまう。

「うっ」

「それに自分の心の整理は結局自分でしか出来ないんだから。俊先輩も浪岡君も彼らなりに自分の気持ちに決着はつけるんじゃない?」

「……」

 なんか、(さと)されてしまった。


「……愛良、成長したね」

 愛良の言うとおりだなって思うと同時に、その言葉が口をついた。

 その成長が嬉しくもあり、ちょっとだけ寂しい。


「……うん、そうかもしれない。ずっと一緒にいたいって思える人が出来て……自信につながってると思う」

 そう言葉にする愛良は恋するというより愛する人を得た大人の顔をしていて……やっぱり寂しいと思ってしまう。


「だから、お姉ちゃんにもそういう相手をちゃんと決めて欲しい。心苦しいとか、相手の気持ちばっかり気にしないでさ。お姉ちゃん自身の気持ちを大事にしてほしい」

「愛良……」

 寂しいと思いつつちょっと感動していると、嘉輪が「そうね」と頷いた。


「生涯を共にするんだもの。血婚っていう儀式をする以上離婚することも出来ないわ。相手はちゃんと選ばないとね」

「あ、そっか」

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