【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
そういうことがたまにあって、今日みたいに本気で疲れが取れない日があった。
キスマークが消えて思い出すことが少なくなったはずなのに、ちょっとのきっかけで出てくるあいつの存在。
まるであのキスマークは消えたんじゃなくて、あいつの私への執着ごと私の体に滲みこんでしまったかのよう。
きっとそのせいもあるんだろうな。
みんなの思いを素直に受け止めきれないのは。
だから、どういう形であれ岸とはもう一度会わなきゃいけない。
あの顔をぶん殴って、ハッキリさせなきゃいけない。
その決意だけはしっかりと私の中にあった。
……でも、今の厳戒態勢の中あいつがこの学園の敷地内に潜入してくることなんてないだろうし、その決意を実行に移すことはまだまだ先になりそう。
というわけで、結果的にうだうだ考えたり周囲に振り回されたりという私らしくない状況におちいってるんだ。
「ま、時間だしとりあえず行くか」
心配そうに眉を寄せつつ、津島先輩がうながした。
「どうしても無理そうなときは言え。先延ばしにするとか、出来ないわけじゃないからな」
一緒に歩きながら石井君がそんな助言をくれる。
「ありがとう」
お礼の言葉を返して、思った。
キスマークが消えて思い出すことが少なくなったはずなのに、ちょっとのきっかけで出てくるあいつの存在。
まるであのキスマークは消えたんじゃなくて、あいつの私への執着ごと私の体に滲みこんでしまったかのよう。
きっとそのせいもあるんだろうな。
みんなの思いを素直に受け止めきれないのは。
だから、どういう形であれ岸とはもう一度会わなきゃいけない。
あの顔をぶん殴って、ハッキリさせなきゃいけない。
その決意だけはしっかりと私の中にあった。
……でも、今の厳戒態勢の中あいつがこの学園の敷地内に潜入してくることなんてないだろうし、その決意を実行に移すことはまだまだ先になりそう。
というわけで、結果的にうだうだ考えたり周囲に振り回されたりという私らしくない状況におちいってるんだ。
「ま、時間だしとりあえず行くか」
心配そうに眉を寄せつつ、津島先輩がうながした。
「どうしても無理そうなときは言え。先延ばしにするとか、出来ないわけじゃないからな」
一緒に歩きながら石井君がそんな助言をくれる。
「ありがとう」
お礼の言葉を返して、思った。