【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
あれ以来会っていないっていうのに、記憶だけの存在なのにどんどん侵入してくる。
もう一人はあいつとは違って、もっと甘く妖しくするりと入り込んでくる。
田神先生……。
それでもやっぱり“先生”という立場が私の気持ちにブレーキを掛ける。
どうしよう……なんで今気づいちゃったんだろう。
この後、その田神先生とのデートだっていうのに……。
うつ向き続けている私に、忍野君はあえて明るく「昼飯ハンバーガーで良いよな? 俺金欠でさ」なんて笑いながら言った。
忍野君は自分のせいで私がうつ向いてると思ってるんだろう。
でも違うんだ、ごめんね。
忍野君とのデートなのに、他の人のことを考えてしまって後ろめたい。
そのせいもあって、私はさらに顔を上げられなくなってしまった。
だから顔を下に向けたまま、せめて声だけは明るく聞こえるように返事をする。
「うん、それでいいよ」
***
どこにでもあるハンバーガーのチェーン店。
定番のセットメニューを注文して、テーブル席に座る。
出来たら持ってきてくれると言ってくれた忍野君に甘えて一人席に座っていると、少し落ち着いてきた。
もう一人はあいつとは違って、もっと甘く妖しくするりと入り込んでくる。
田神先生……。
それでもやっぱり“先生”という立場が私の気持ちにブレーキを掛ける。
どうしよう……なんで今気づいちゃったんだろう。
この後、その田神先生とのデートだっていうのに……。
うつ向き続けている私に、忍野君はあえて明るく「昼飯ハンバーガーで良いよな? 俺金欠でさ」なんて笑いながら言った。
忍野君は自分のせいで私がうつ向いてると思ってるんだろう。
でも違うんだ、ごめんね。
忍野君とのデートなのに、他の人のことを考えてしまって後ろめたい。
そのせいもあって、私はさらに顔を上げられなくなってしまった。
だから顔を下に向けたまま、せめて声だけは明るく聞こえるように返事をする。
「うん、それでいいよ」
***
どこにでもあるハンバーガーのチェーン店。
定番のセットメニューを注文して、テーブル席に座る。
出来たら持ってきてくれると言ってくれた忍野君に甘えて一人席に座っていると、少し落ち着いてきた。