【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「まあ、別にマズイとは思わないけどな。でも今まで人間として生きてきたじゃん? 普通に血を飲むって行為に抵抗があるんだよ」

「ああ」

 そう言われれば納得がいく。


 突然吸血鬼になったら、多分私でもすぐに血を飲むことを受け入れることなんて出来ないと思う。
 味うんぬん以前の問題ってことか。

「結局のところ慣れるしかないみたいだけど……人間から吸血鬼になったやつとかって、結構そういうタイプが多いみたいだぜ?」

「へー。ってことは人間から吸血鬼になった人ってのも結構いるんだ?」

 どうやってなるのかは知らないけれど、確か嘉輪のお母さんもそうやって吸血鬼になったと聞いた気がする。

 だから私が思っていたより吸血鬼になった人間は多いのかな、なんて思ったんだけれど……。

「いや、そんなにいないだろ。命の危険が伴うのに好き好んで吸血鬼になろうとは思わないんじゃないか?」

「え?」


 命の危険?


 驚く私に忍野君はそのまま話してくれる。

「確か、人間の血を約三分の一抜いてから吸血鬼の血を入れると吸血鬼になるらしいぜ?」

「三分の一って……」

 確か人間は三分の一の出血で死んでしまうんじゃなかったっけ?


< 413 / 741 >

この作品をシェア

pagetop