【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 昨日も待ち合わせなどの確認をしつつされた説明は護衛の話。

 護衛はあまり見えない様にした方が良いよな?
 とか。

 あそこ行くと配置が不安なんだよなぁ。
 とか。


 元々あった私への気遣いってどこに行ったんだろうと思うくらいほぼ護衛の話だった。

 まあ、でもそのおかげで今日は普通に楽しんで遊べそうだなって思うんだけどね。


 そんな風に考えながら選んだ服を着て準備を進めた。

***

「今日は私達H生の汚名返上の日だから、頑張るわ」

 そう意気込んでいたのは待ち合わせ場所まで護衛してくれている弓月先輩だ。

 この今の護衛もV生達ともめたらしいけれど、今日はH生の力を見てもらう日だと言って押し通したらしい。


 同じ学校に通っているんだから仲良く出来ないのかなぁと思う。

 まあ、私が思っているよりは仲は悪くないみたいだけど……。


 嘉輪が言うには、ほとんどの生徒はちゃんと仲良く出来ているらしい。


 でも古い家の人間だったりすると、ずっと吸血鬼と戦ってきた過去があるから中々難しいのだとか。

 その典型的な例が弓月先輩だと言っていた。

 そしてそういう人達は、昔は“花嫁”を自分達が守っていたっていう記録があるからそれを通したいみたいだってことも。


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