【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
小さく、でも確かにお腹から空腹の訴えが。
「……」
うん、下で何か食べよう。
とにかく小腹を満たさなきゃ。
どうせ明日も赤井達は来るんだし、疲れもイライラも避けられない。
あと二日の我慢と受け入れて、少しでもイライラを解消するようにした方が建設的だ。
それに今日一日で少しは慣れたから、明日は今日ほど疲れないかもしれない。
そんなわずかな期待は、翌朝すぐに砕かれてしまったけれど……。
***
……誰? この人達。
真っ先に思ったのはそれだった。
きっと隣に立っている愛良も同じだろう。
朝食を食べ終わり、昨日と同じ頃合いにインターホンが鳴らされた。
赤井達だろうということで、お母さんは出ず鞄を持った私達が玄関に向かう。
自己紹介や説明なんかは昨日済ませてあるから、今日はもうそのまま学校に向かってもいいだろうと思ってのこと。
靴も履いて、「お待たせー」とドアを開け外に出た私は固まった。
私に続いて出てきた愛良も隣に来たところで固まる。
そりゃそうだよね?
だって赤井と浪岡君だと思ったら全くの別人がそこにいるんだもん。
がっしりとしたスポーツでもやっていそうな体格の男と、チャラいという言葉がそのまま人間になったような男の二人。