【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
私の心は、もう他には向けられなかった。
「聖良……」
そのまま泣き続ける私の肩に嘉輪がそっと手を乗せる。
「聖良の気持ちは、分かったから。……辛いね」
「っ!」
寄り添ってくれる言葉に喉が詰まる。
否定しないでくれたことが嬉しかった。
「……お姉ちゃんの気持ち、ちょっと分かる。誰かを好きになる気持ちは、自分じゃあコントロールできなくなるものだもんね」
零士を思い出しているのか、愛良はそう言って困ったように笑った。
そんな二人に勇気づけられて、私は瑠希ちゃんを見る。
嘉輪と愛良とは違って、まだ戸惑いの表情が抜けていない。
「……認められないってことは分かってるし、受け入れられないならそれで良いの。ただ、知ってて欲しかっただけだから」
二人に触発されて本心とは別のことを言わなくても良いんだよ、と先に言っておく。
でも、瑠希ちゃんは戸惑いを残したまま口を開いた。
「いえ……いいえ。その、私はその岸って人のこと話でしか知らないですし……それにそこまで人を好きになったこともないので分からないですけど……」
言葉にしながら自分の中で答えを見つけたのか、その目から戸惑いが消える。
「聖良……」
そのまま泣き続ける私の肩に嘉輪がそっと手を乗せる。
「聖良の気持ちは、分かったから。……辛いね」
「っ!」
寄り添ってくれる言葉に喉が詰まる。
否定しないでくれたことが嬉しかった。
「……お姉ちゃんの気持ち、ちょっと分かる。誰かを好きになる気持ちは、自分じゃあコントロールできなくなるものだもんね」
零士を思い出しているのか、愛良はそう言って困ったように笑った。
そんな二人に勇気づけられて、私は瑠希ちゃんを見る。
嘉輪と愛良とは違って、まだ戸惑いの表情が抜けていない。
「……認められないってことは分かってるし、受け入れられないならそれで良いの。ただ、知ってて欲しかっただけだから」
二人に触発されて本心とは別のことを言わなくても良いんだよ、と先に言っておく。
でも、瑠希ちゃんは戸惑いを残したまま口を開いた。
「いえ……いいえ。その、私はその岸って人のこと話でしか知らないですし……それにそこまで人を好きになったこともないので分からないですけど……」
言葉にしながら自分の中で答えを見つけたのか、その目から戸惑いが消える。