【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「“唯一”の存在が自分の手から離れて行った吸血鬼は……もれなく狂っていくわ。祖母を失ったその吸血鬼は、十数年後に再会した幸せそうな祖母を見て……祖父共々殺してしまったらしいわ」
「え? 殺して……? え?」
すぐには理解出来なくてその言葉を繰り返す。
殺した?
え? 聞き間違い?
“唯一”と言えるほど好きになった相手を殺した。
にわかには信じられない言葉に自分の耳を疑った。
でも、愛良を見ると青ざめるほどの驚きが顔に浮かんでいたし。
“唯一”がそこまでの存在だったとは知らなかったのか、瑠希ちゃんも口を引き結んで驚愕の眼差しを嘉輪に向けていた。
二人の様子を見ても、聞き間違いではないんだと認めざるを得ない。
「吸血鬼にとっての“唯一”というのは、それほどの存在なのよ。……両想いになれば最高の相手ではあるけれど、想いが一方的なものでしかなかった場合は悲劇しか生まないわ……」
静かにそう語った嘉輪は、視線を愛良に向ける。
「多分、愛良ちゃんは赤井君にとっての“唯一”じゃないかしら? 赤井君の盲目的なほどの様子を見るとそうとしか思えないんだけれど?」
「え?」
突然の指摘に、驚いて丸くした目をパチパチする愛良。
「え? 殺して……? え?」
すぐには理解出来なくてその言葉を繰り返す。
殺した?
え? 聞き間違い?
“唯一”と言えるほど好きになった相手を殺した。
にわかには信じられない言葉に自分の耳を疑った。
でも、愛良を見ると青ざめるほどの驚きが顔に浮かんでいたし。
“唯一”がそこまでの存在だったとは知らなかったのか、瑠希ちゃんも口を引き結んで驚愕の眼差しを嘉輪に向けていた。
二人の様子を見ても、聞き間違いではないんだと認めざるを得ない。
「吸血鬼にとっての“唯一”というのは、それほどの存在なのよ。……両想いになれば最高の相手ではあるけれど、想いが一方的なものでしかなかった場合は悲劇しか生まないわ……」
静かにそう語った嘉輪は、視線を愛良に向ける。
「多分、愛良ちゃんは赤井君にとっての“唯一”じゃないかしら? 赤井君の盲目的なほどの様子を見るとそうとしか思えないんだけれど?」
「え?」
突然の指摘に、驚いて丸くした目をパチパチする愛良。