【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「吸血されたことはあるのよね? その時血を吸われた量は少しだけだったりしない? 普通は献血で取られるくらい……約二百ミリリットルくらいは吸われるんだけど」

「え? えっと……そういえば、確かに。具体的な量は分かりませんけど、そんなに吸われてる感じはなかったです」

 愛良の言葉を聞きながら私も思い出す。


 岸に吸血されたのは二回。

 一度目は私の前に他の人の血を吸っていたから判断しづらいけれど……。

 二度目の今日を思い出すと、確かに少なかった気はする。


 熱に翻弄されていたからハッキリとは分からないけれど、百ミリリットルも吸われてないんじゃないかな?


「じゃあほぼ確定ね。普通はそんな少量で満足出来るわけがないんだもの。直接吸血なら尚更止められないって聞いたことあるし」

 ということは、嘉輪は直接誰かの血を吸ったことはないんだな、と思った。


「じゃあ、零士先輩と愛良は最高のカップルってことですね? なんかすごい」

 少し怖い話の後だったからか、瑠希ちゃんが大げさなくらいにそう言って喜ぶ。

「最高は言い過ぎだよぉ……」

 言われた愛良は恥ずかしがっているけれど、まんざらでもなさそう。
 顔笑ってるし。


「……聖良も、思い当たる節はある?」

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