【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「オレは零士とは従兄弟なんだ。どっちも苗字は赤井だから、俊って名前で呼んで欲しいな」

 そう言った顔は甘えん坊の年下の顔で……。


 うっ!

 私、チャラ男はそんなに好きじゃ無いけど……これはヤバイ。

 この顔立ちでその顔は反則だよ!


 赤井――じゃ無くて、俊君は零士の従兄弟というだけあって綺麗な顔立ちをしている。

 明るめの茶色の髪は長く、前髪はヘアピンでおでこが出る様に上げていて、肩より少し長い後ろはそのまま流している。

 ピアスも耳に三つつけているし、本当にチャラ男って感じなんだけれど、顔が綺麗な所為かそんな格好もただのファッションとして似合っていた。

 私同様俊君に軽く見惚れていた愛良はハッとして応えた。

「そうですね、確かに苗字同じだと呼ぶとき困りますし……えっと、俊先輩?」

「そうそう、それでよろしくね」

 とまたウインク。


 ……うーん、零士同様鑑賞するにはもってこいの容姿だわ。


 にしても、もう一人の……石井君だっけ?
 さっきから一言も喋らないなぁ……。


 180センチは確実にあるであろう長身を見上げる。

 一度も染めた事が無いような黒髪は短く、揉み上げの所は刈り上げている。

 太めの眉にキリッとした目。
 正に日本男子と言うような男らしい顔立ちだ。


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