【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
目が合った忍野君は少し迷うそぶりを見せてから私を手招きした。
「どうしたのかな?」
「さあ?」
嘉輪と顔を見合わせながら立ち上がって忍野君の方へ行くと、彼は眉尻を下げた状態で口を開いた。
「ごめんな。ちょっと話したいことがあって……」
「良いけど……」
でも、今は昼休み。
昼食も終えて午後の授業を待つだけの状態だ。
長い話ならちょっと困る。
そう思っていたら。
「ちょっと長くなるかもだから、放課後時間取れないか?」
忍野君の方からそう提案してくれた。
「うん。いつもの会議室でいい?」
「ああ、じゃあそれで」
と、約束を取り付けると忍野君は早々に自分の教室に戻って行ってしまう。
「何かしらね? 話って?」
一緒に聞いていた嘉輪が疑問を口にするけれど、それは忍野君にしか分からない。
私は「さあ?」と軽く返して自分の席に戻った。
でも、確かに何の話があるんだろう?
思えば、私が岸を選んだことに関して忍野君がどう思っているのかも知らない。
岸のことを伝えたときも、この間私がH生に襲われたときも、忍野君は心配そうに私を見るだけだった。
心配してくれてるってことは、他の婚約者候補の人達とは違う気持ちでいるのかもしれない。
「どうしたのかな?」
「さあ?」
嘉輪と顔を見合わせながら立ち上がって忍野君の方へ行くと、彼は眉尻を下げた状態で口を開いた。
「ごめんな。ちょっと話したいことがあって……」
「良いけど……」
でも、今は昼休み。
昼食も終えて午後の授業を待つだけの状態だ。
長い話ならちょっと困る。
そう思っていたら。
「ちょっと長くなるかもだから、放課後時間取れないか?」
忍野君の方からそう提案してくれた。
「うん。いつもの会議室でいい?」
「ああ、じゃあそれで」
と、約束を取り付けると忍野君は早々に自分の教室に戻って行ってしまう。
「何かしらね? 話って?」
一緒に聞いていた嘉輪が疑問を口にするけれど、それは忍野君にしか分からない。
私は「さあ?」と軽く返して自分の席に戻った。
でも、確かに何の話があるんだろう?
思えば、私が岸を選んだことに関して忍野君がどう思っているのかも知らない。
岸のことを伝えたときも、この間私がH生に襲われたときも、忍野君は心配そうに私を見るだけだった。
心配してくれてるってことは、他の婚約者候補の人達とは違う気持ちでいるのかもしれない。