【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「……うん」
忍野君の意見に同意しつつ、彼が理解を示してくれたことが嬉しかった。
他のみんなは、相手が岸ってだけであり得ないみたいに言っていたから……。
そして、今の話を聞いてまた岸に会いたい気持ちが増す。
会って、ギュッと抱きしめたい衝動に駆られる。
会いたい。
会いたくて、会えなくて……胸が苦しい。
「そんなあいつが香月っていう“唯一”を見つけたんだ。執着するのも当然だよな」
忍野君は諦めを滲ませたほほ笑みを浮かべた。
「悔しい気持ちもあるけど……うん、俺は香月があいつを好きになって良かったと思う」
「っ! 忍野君?」
私が誰を選んでも、応援は出来ないかもと言っていた忍野君。
でも、文句は言わないと言ってくれていた忍野君。
選んだ相手は岸という問題のある吸血鬼だったけれど、その言葉に偽りはなかった。
しかも良かったとまで言ってくれた。
裏切りとまで言われた私の恋を、認めてくれた。
「っ……聖良?」
初めに気づいたのは嘉輪だ。
次に、改めて私の顔を見た忍野君が息をのむ。
「あ……」
二人の反応で、私は自分が泣いていることに気づいた。
岸が好き。
私のその思いを認めてくれる人は嘉輪と愛良、あとは瑠希ちゃんと正樹君。その四人だけだ。
忍野君の意見に同意しつつ、彼が理解を示してくれたことが嬉しかった。
他のみんなは、相手が岸ってだけであり得ないみたいに言っていたから……。
そして、今の話を聞いてまた岸に会いたい気持ちが増す。
会って、ギュッと抱きしめたい衝動に駆られる。
会いたい。
会いたくて、会えなくて……胸が苦しい。
「そんなあいつが香月っていう“唯一”を見つけたんだ。執着するのも当然だよな」
忍野君は諦めを滲ませたほほ笑みを浮かべた。
「悔しい気持ちもあるけど……うん、俺は香月があいつを好きになって良かったと思う」
「っ! 忍野君?」
私が誰を選んでも、応援は出来ないかもと言っていた忍野君。
でも、文句は言わないと言ってくれていた忍野君。
選んだ相手は岸という問題のある吸血鬼だったけれど、その言葉に偽りはなかった。
しかも良かったとまで言ってくれた。
裏切りとまで言われた私の恋を、認めてくれた。
「っ……聖良?」
初めに気づいたのは嘉輪だ。
次に、改めて私の顔を見た忍野君が息をのむ。
「あ……」
二人の反応で、私は自分が泣いていることに気づいた。
岸が好き。
私のその思いを認めてくれる人は嘉輪と愛良、あとは瑠希ちゃんと正樹君。その四人だけだ。