【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
その程度の気持ちだから、こんな明らかにケガをするような正拳突きをするつもりなんてなかったんだもの。
駆け寄ると、永人の意識はちゃんとあった。
回復もしてきているようでパッと見は殴った部分が少し腫れている程度に見える。
「だ、大丈夫?」
近くで声を掛けると、少しムスッとされた。
「はぁ……俺より強くなってるとか……俺、カッコ悪ぃじゃねぇか……」
怒ってはいないみたいだったけれど、何だか落ち込ませてしまったみたいだ。
「い、いや。でも頼りにしてるよ?」
なんて慰めの言葉を掛けてみたけれど今は届かないみたいだった。
そうしていると、「くはっ!」っと噴き出すような声が聞こえる。
見るとそれは鬼塚先輩だった。
「ここで俺が教えた正拳突きとか……聖良、お前最高」
この状況で私が正拳突きしたことがかなりツボに入ったのか、鬼塚先輩はそのまま一人で大笑いし始める。
その笑い声が響く中、私は途方に暮れたように室内を見回した。
田神先生や他の大人たちは苦みを帯びた表情。
愛良や嘉輪は呆れつつも「良かったんじゃない?」という感じの笑顔。
H生は私よりも鬼塚先輩を見てドン引きしている。
婚約者候補の人達は複雑な表情をしつつも「良かったな」という雰囲気。
駆け寄ると、永人の意識はちゃんとあった。
回復もしてきているようでパッと見は殴った部分が少し腫れている程度に見える。
「だ、大丈夫?」
近くで声を掛けると、少しムスッとされた。
「はぁ……俺より強くなってるとか……俺、カッコ悪ぃじゃねぇか……」
怒ってはいないみたいだったけれど、何だか落ち込ませてしまったみたいだ。
「い、いや。でも頼りにしてるよ?」
なんて慰めの言葉を掛けてみたけれど今は届かないみたいだった。
そうしていると、「くはっ!」っと噴き出すような声が聞こえる。
見るとそれは鬼塚先輩だった。
「ここで俺が教えた正拳突きとか……聖良、お前最高」
この状況で私が正拳突きしたことがかなりツボに入ったのか、鬼塚先輩はそのまま一人で大笑いし始める。
その笑い声が響く中、私は途方に暮れたように室内を見回した。
田神先生や他の大人たちは苦みを帯びた表情。
愛良や嘉輪は呆れつつも「良かったんじゃない?」という感じの笑顔。
H生は私よりも鬼塚先輩を見てドン引きしている。
婚約者候補の人達は複雑な表情をしつつも「良かったな」という雰囲気。