【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
忍野君の家に伝わる、自身の吸血鬼としての力を抑えるための方法を彼が私に試したことで、私は“花嫁”と同等の血を持つ存在になった。
「“花嫁”ではないから嘉輪は血を入れることが出来た。だが、“花嫁”の血筋で“花嫁”と同等の血を持ってしまった彼女はやはり普通の人間とは違う。だからこそ、起こりえないはずの《禁忌》が成されてしまった」
ゴクリと、誰かの唾を飲み込む音が聞こえた気がした。
「で、でも。聖良は不死になっていないって確か初めに言ったよね?」
嘉輪の確認の言葉に朔夜さんが「そうだ」と答えたことで張り詰めたような緊張が少しほぐれる。
「逆にだからこそ血を入れることが出来たのかもしれないな」
「じゃあ、《禁忌》ではないんだよね?」
「まあ、そうだな。《禁忌》ではないな」
嘉輪の言葉に同意を示すけれど、どこか意味深な言い方にまたわずかに緊張が高まった。
「不死にはなっていないから《禁忌》ではない。……だが、だからと言って始祖の力も復活していないとは限らない」
「どういうこと?」
《禁忌》ではないと言ってもらえたからか、嘉輪の声は幾分明るくなったように聞こえる。
とりあえずそのことに良かったと思いつつ、私も朔夜さんの言葉に注目する。
一体私の身に何が起こっているのか。
「“花嫁”ではないから嘉輪は血を入れることが出来た。だが、“花嫁”の血筋で“花嫁”と同等の血を持ってしまった彼女はやはり普通の人間とは違う。だからこそ、起こりえないはずの《禁忌》が成されてしまった」
ゴクリと、誰かの唾を飲み込む音が聞こえた気がした。
「で、でも。聖良は不死になっていないって確か初めに言ったよね?」
嘉輪の確認の言葉に朔夜さんが「そうだ」と答えたことで張り詰めたような緊張が少しほぐれる。
「逆にだからこそ血を入れることが出来たのかもしれないな」
「じゃあ、《禁忌》ではないんだよね?」
「まあ、そうだな。《禁忌》ではないな」
嘉輪の言葉に同意を示すけれど、どこか意味深な言い方にまたわずかに緊張が高まった。
「不死にはなっていないから《禁忌》ではない。……だが、だからと言って始祖の力も復活していないとは限らない」
「どういうこと?」
《禁忌》ではないと言ってもらえたからか、嘉輪の声は幾分明るくなったように聞こえる。
とりあえずそのことに良かったと思いつつ、私も朔夜さんの言葉に注目する。
一体私の身に何が起こっているのか。