【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
自分のことだけに、嫌でも緊張が高まる。
思わずつないでいた永人の手をギュッと握り、握り返される。
その小さなやり取りがわずかに緊張をほぐし、知らずに詰めていた息を吐き出した。
「“花嫁”と純血種の血が合わさったんだ。それが本当の“花嫁”でなかったとしても、始祖の力の一部は復活していると見るべきだろうな」
「……で、でも。私、特にみんなと大きく違うようには思えないんですけど……」
今まで黙って聞いていたけれど、確実にみんなとは違うんだと断言されて聞かずにはいられなかった。
「始祖の力って何なんですか? 不死でないなら、他の吸血鬼とあまり変わらないんじゃないんですか?」
他の吸血鬼とは違うと――永人とは違う存在なのだと思いたくなくて質問を重ねる。
そんな私をジッと見た朔夜さんは、静かに口を開く。
「始祖はすべての吸血鬼を従えたと言われている。その命令は絶対。吸血鬼の王となりえる存在だ」
「っ! で、でも、私にそんな力なんてありません」
「そうだな、少なくとも今は兆候も見られない」
朔夜さんの言葉にホッとしたのも束の間。
そんな私達の会話に、田神先生が喜びを滲ませた声で入ってきた。
「ですが、彼女は始祖の力を扱うことが出来るようになる特別な存在ということですね?」
思わずつないでいた永人の手をギュッと握り、握り返される。
その小さなやり取りがわずかに緊張をほぐし、知らずに詰めていた息を吐き出した。
「“花嫁”と純血種の血が合わさったんだ。それが本当の“花嫁”でなかったとしても、始祖の力の一部は復活していると見るべきだろうな」
「……で、でも。私、特にみんなと大きく違うようには思えないんですけど……」
今まで黙って聞いていたけれど、確実にみんなとは違うんだと断言されて聞かずにはいられなかった。
「始祖の力って何なんですか? 不死でないなら、他の吸血鬼とあまり変わらないんじゃないんですか?」
他の吸血鬼とは違うと――永人とは違う存在なのだと思いたくなくて質問を重ねる。
そんな私をジッと見た朔夜さんは、静かに口を開く。
「始祖はすべての吸血鬼を従えたと言われている。その命令は絶対。吸血鬼の王となりえる存在だ」
「っ! で、でも、私にそんな力なんてありません」
「そうだな、少なくとも今は兆候も見られない」
朔夜さんの言葉にホッとしたのも束の間。
そんな私達の会話に、田神先生が喜びを滲ませた声で入ってきた。
「ですが、彼女は始祖の力を扱うことが出来るようになる特別な存在ということですね?」