【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「ん? ああ。どこまで始祖の力が使えるのか、何か条件がそろったときじゃないと使えないのか。そのあたりは分からないが、全く使えないということはないだろうな」
突然話に入ってきた田神先生に不思議そうにしつつも、朔夜さんは答える。
「ならば、やはり聖良は特別な存在なんですね。そんな彼女のパートナーは、岸のような犯罪者もどきでいいわけがない」
その言葉に、やっぱり田神先生は私と永人を引き離したがっているんだと思った。
ズシリと、重いものが心にのしかかる。
田神先生が何と言おうと永人と離れるつもりはない。
けれど、この学園に来る前からお世話になっている先生だし、一度は好きになりかけた相手だ。
やっぱり気にしないなんてことは出来なかった。
「始祖の力を扱う存在として、彼女の相手は相応の吸血鬼じゃないと――」
「何を言っているんだ?」
嬉々として語る田神先生に、朔夜さんが訝し気に言葉を投げる。
そして至極当然のように告げた。
「始祖の力を扱おうが、特別な存在であろうが、吸血鬼から“唯一”を引き離す行為がまともなわけがないだろう?」
「っ⁉」
その途端、田神先生は冷水を浴びせられたように息を呑み固まる。
吸血鬼から“唯一”を引き離す行為がまともなわけがない。
突然話に入ってきた田神先生に不思議そうにしつつも、朔夜さんは答える。
「ならば、やはり聖良は特別な存在なんですね。そんな彼女のパートナーは、岸のような犯罪者もどきでいいわけがない」
その言葉に、やっぱり田神先生は私と永人を引き離したがっているんだと思った。
ズシリと、重いものが心にのしかかる。
田神先生が何と言おうと永人と離れるつもりはない。
けれど、この学園に来る前からお世話になっている先生だし、一度は好きになりかけた相手だ。
やっぱり気にしないなんてことは出来なかった。
「始祖の力を扱う存在として、彼女の相手は相応の吸血鬼じゃないと――」
「何を言っているんだ?」
嬉々として語る田神先生に、朔夜さんが訝し気に言葉を投げる。
そして至極当然のように告げた。
「始祖の力を扱おうが、特別な存在であろうが、吸血鬼から“唯一”を引き離す行為がまともなわけがないだろう?」
「っ⁉」
その途端、田神先生は冷水を浴びせられたように息を呑み固まる。
吸血鬼から“唯一”を引き離す行為がまともなわけがない。