【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
そんな中、愛良が心配そうに田神先生に質問していた。
「私は零士先輩と血婚の儀式をしたからもう誰かに襲われることはないんですよね? でもお姉ちゃんはどうなんですか? 岸さんっていう“唯一”がいて、主従の契約もしてる。でも、一部の人は納得していませんよね?」
「それは……」
愛良は田神先生もそうなんだろうって非難しているのかもしれない。
その目には確かに怒りのようなものも感じたから。
「そんな状態で、色んな大人の思惑がありそうなパーティーに出席して、本当に大丈夫なんですか?」
「愛良……」
どこまでも姉思いの妹に胸が熱くなる。
ずっと愛良を守るのは私だと思ってきた。
でも、愛良は今逆に私を守ろうと言葉を重ねてくれている。
私の助けはもう本当に必要ないんだなっていうちょっとの寂しさと、強くなった愛良への誇らしさみたいな感情が湧いた。
……それが零士の存在があるからだと思うと何とも言えない気分にはなるけれど。
「……正直、大丈夫とは言えないだろう」
自分も非難されているのは分かっているだろう。
けれど、田神先生はまずパーティーの危険性を話した。
「特に、愛良さんも良く知っている月原家。あの家は手段を選ばない」
月原家と聞いた途端愛良の表情が強張る。
「私は零士先輩と血婚の儀式をしたからもう誰かに襲われることはないんですよね? でもお姉ちゃんはどうなんですか? 岸さんっていう“唯一”がいて、主従の契約もしてる。でも、一部の人は納得していませんよね?」
「それは……」
愛良は田神先生もそうなんだろうって非難しているのかもしれない。
その目には確かに怒りのようなものも感じたから。
「そんな状態で、色んな大人の思惑がありそうなパーティーに出席して、本当に大丈夫なんですか?」
「愛良……」
どこまでも姉思いの妹に胸が熱くなる。
ずっと愛良を守るのは私だと思ってきた。
でも、愛良は今逆に私を守ろうと言葉を重ねてくれている。
私の助けはもう本当に必要ないんだなっていうちょっとの寂しさと、強くなった愛良への誇らしさみたいな感情が湧いた。
……それが零士の存在があるからだと思うと何とも言えない気分にはなるけれど。
「……正直、大丈夫とは言えないだろう」
自分も非難されているのは分かっているだろう。
けれど、田神先生はまずパーティーの危険性を話した。
「特に、愛良さんも良く知っている月原家。あの家は手段を選ばない」
月原家と聞いた途端愛良の表情が強張る。