【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「今までだってそうやって守って貰ったけれど、いつも裏をかかれてしまっていたし……。それに何より田神先生……あなただってお姉ちゃんと岸さんの仲を認めていないですよね?」

「っ……!」

 言葉を詰まらせる田神先生に、愛良は言い募る。


「先生に非難するように睨まれて、お姉ちゃんが辛そうにしてるの分かってましたよね? そんな人にお姉ちゃんを守ると言われても信用できません!」

「愛良……」

 田神先生のことを特に相談したことはなかった。
 それでも、気付かれてしまっていたんだ……。

 そして、私のために怒ってくれている。


「ありがとう、愛良。でも落ち着いて? パーティーのことは田神先生の一存で決められることじゃないでしょう?」

 永人の腕から抜け出して愛良の近くへ行き、軽く肩を叩く。


 愛良が怒ってくれたから冷静に考えることが出来る。

 私のことを報告に行ったときにパーティーへの招待が決まったと田神先生は言った。

 なら、それは吸血鬼の上層部が決めたことだ。

 田神先生一人に訴えたところでどうにか出来ることじゃない。

「お姉ちゃん……」

「田神先生、その招待は絶対に受けなければダメですか?」

 真っ直ぐ田神先生を見て確認する。


 いつまでも目をそらしてはいられない。

 愛良もこんなに強くなった。

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