【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 愛良の笑顔に若干圧倒されつつ、何とか挨拶を返した。

 ついでに「お母さんもおはよう」と挨拶しておく。
 そんなお母さんはいつも通り忙しそうにしながら「おはよう」と返してくれた。


「……お姉ちゃん、元気無いね?」

「誰のせいだと思ってるのよ……」

 同じく朝ごはんを食べようと椅子に座ると、愛良は他人事の様に聞いてきた。
 返事が非難する様な言い方になったのは仕方ない――と言うか、最早当然だろう。

 実際愛良が昨日あんな事を言わなければ、私は僅かな疑問も忘れたままにして今日も普段通りに出来たのに。


 大体零士達の人外説を言った愛良本人が何でこんなに元気なのよ⁉


 いや、分かってる。
 愛良は悩みがあっても、寝て起きたら何とかなるよね!って思えるポジティブな性格だからね。

 私もどちらかというとポジティブな性格だけれど、たまに小さな事を考え過ぎてしまうときがある。

 愛良の様子を見るに、今回も私の考え過ぎなんだろう。


 どっちにしたって考えて答えが出る訳じゃ無いし。


 明るい愛良を見て悩んでいる自分が馬鹿らしくなった私は、気を取り直して朝食を食べ始めた。


「誰のせいって……あたしのせい? え? 何で? あたし何かしたっけ?」

 不安そうな顔でそう言った愛良は、全く思い当たる事が無いみたいだ。

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