【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
シン……と、瞬時に会場の音が止まる。
まるで時が止まったかのように音も人の動きもピタリと止まっていた。
その中を私はまっすぐ進む。
通り過ぎると同時にハッと気付いた周囲の吸血鬼達が、何を言うまでもなくひざまずく。
吸血鬼ゆえに、その血で理解したんだ。
私がまさに始祖の再来であるということを。
進みながらザッと見たところ、愛良の姿はない。
零士もいないようだったから、ちゃんと別の場所に避難しているのだと思う。
途中、嘉輪と目が合ったので微笑むと、少し物悲しい様子ではあったけれど微笑みが返される。
そして膝を折りこうべを垂れた。
親友にそんな真似をされるのはちょっと悲しかったけれど、今は仕方ないと気持ちを切り替える。
私が今やろうとしていることが終わるまでは、始祖として威厳を持って振る舞わなくてはならないから。
少し前に挨拶を受けていた壇上に上がると、永人以外の四人は下で膝を折り頭を下げる。
見渡すと、エスコートした永人以外の吸血鬼達全てが私に向かってひざまずいていた。
始祖の力に引きずられていてよかったかもしれない。
素のままだったら「ひっ!」と悲鳴を上げてビビッていただろうから。
永人も私から手を離し、控えるように少し後ろに下がる。
まるで時が止まったかのように音も人の動きもピタリと止まっていた。
その中を私はまっすぐ進む。
通り過ぎると同時にハッと気付いた周囲の吸血鬼達が、何を言うまでもなくひざまずく。
吸血鬼ゆえに、その血で理解したんだ。
私がまさに始祖の再来であるということを。
進みながらザッと見たところ、愛良の姿はない。
零士もいないようだったから、ちゃんと別の場所に避難しているのだと思う。
途中、嘉輪と目が合ったので微笑むと、少し物悲しい様子ではあったけれど微笑みが返される。
そして膝を折りこうべを垂れた。
親友にそんな真似をされるのはちょっと悲しかったけれど、今は仕方ないと気持ちを切り替える。
私が今やろうとしていることが終わるまでは、始祖として威厳を持って振る舞わなくてはならないから。
少し前に挨拶を受けていた壇上に上がると、永人以外の四人は下で膝を折り頭を下げる。
見渡すと、エスコートした永人以外の吸血鬼達全てが私に向かってひざまずいていた。
始祖の力に引きずられていてよかったかもしれない。
素のままだったら「ひっ!」と悲鳴を上げてビビッていただろうから。
永人も私から手を離し、控えるように少し後ろに下がる。