元聖女ですが、過保護だった騎士が今世(いま)では塩です。

 私は心からお礼を言ってぐっと拳を握って見せた。

「うん。私もう少し頑張ってみる!」
「よし! ……まぁ、イザベラみたいに他の子にキツく当たるのはどうかと思うけどね」

 アンナが苦笑して、私も同じように笑う。

「でも、先生を好きになってイザベラの気持ちもわかるようになったし、もしかしたらこれからは仲良くなれるかもって……そういえば、ラウルはイザベラの気持ちに気付いてるのかな?」
「うーん。イザベラ、プライドが邪魔して自分からは絶対に告白とか出来ないタイプだろうし、本人の前でもあの調子だものね」

 そう、彼女はラウル本人の前でもあの堂々とした態度を崩さない。
 だから私も初めてラウルのことで呼び出されたときは本当に驚いたものだ。

「今度、ラウルにそれとなく聞いてみようかな」
「え!? やぁ~それは止めておいた方がいいかも?」
「なんで?」
「えーと、ほら、折角仲良くなれそうなのにまたイザベラに目をつけられたら嫌でしょう?」
「確かに。でも、イザベラ応援してあげたいなぁ」
「そ、それよりレティ、そろそろ食堂行かない? 私お腹すいちゃった!」
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