元聖女ですが、過保護だった騎士が今世(いま)では塩です。
「ちょっとラウル、失礼よ!」
アンナが慌てたように止めに入るが、それにもリュシアン様は余裕の笑みで返した。
「勿論さ。姫を王国一の、いや、世界一の幸せ者に出来るに決まっているじゃないか」
「~~っ、レティ!」
「え!?」
急にラウルが私の方に視線を向けてびっくりする。
彼は真剣な眼差しで続けた。
「放課後、ふたりきりで大事な話がある」
「え?」
「わかったな」
そうしてラウルはリュシアン様を一度睨みつけてから自分の席へと戻って行ってしまった。
(大事な話……?)
でもそれを目で追って、ぎくりとする。
イザベラとばっちり目が合ってしまったのだ。
こちらの声はおそらく……いや絶対に聞こえているはずで。
彼女は私をじっと見つめてから、ぷいと顔を背けてしまった。
「ふたりきりで、か。私に来るなということかな?」
リュシアン様がそう薄く笑っていたけれど。
(最悪だ……)
私はキリキリと痛み出した胃の辺りを押さえていた。
アンナが慌てたように止めに入るが、それにもリュシアン様は余裕の笑みで返した。
「勿論さ。姫を王国一の、いや、世界一の幸せ者に出来るに決まっているじゃないか」
「~~っ、レティ!」
「え!?」
急にラウルが私の方に視線を向けてびっくりする。
彼は真剣な眼差しで続けた。
「放課後、ふたりきりで大事な話がある」
「え?」
「わかったな」
そうしてラウルはリュシアン様を一度睨みつけてから自分の席へと戻って行ってしまった。
(大事な話……?)
でもそれを目で追って、ぎくりとする。
イザベラとばっちり目が合ってしまったのだ。
こちらの声はおそらく……いや絶対に聞こえているはずで。
彼女は私をじっと見つめてから、ぷいと顔を背けてしまった。
「ふたりきりで、か。私に来るなということかな?」
リュシアン様がそう薄く笑っていたけれど。
(最悪だ……)
私はキリキリと痛み出した胃の辺りを押さえていた。